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平成 4年9月 心身に障害をもつ子供達に、太鼓を叩く事によって、楽しみながら運動不足やストレスの解消、ひいては人間性豊かな感性を育てる事ができないものかと、当時栗東町のさる町会議員の熱い思いに共感した中川が指導役を引き受け、すぐに栗東市(当時は栗太郡栗東町)を中心に近隣市町村の対象者を集めて発足されました。 |
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最初のうちはただやみくもに太鼓を叩いていた子供達が次第に器用に桴がさばけるようになり、やがてはリズムらしきものが打てるようになりました。
これは何とか成りそうだとばかりにきっちりとした基礎打ちと、ちょっとした曲に挑戦してみました。
基礎打ちの方は、ゆっくりしたテンポなら何とかこなして行けますが、一つの曲を打つと成ると、なかなかでした。短いリズムはいとも簡単に打てるのですが、なかなかリズムとリズムがうまくつながってはくれませんでした。それでも10カ月もすれば何とか太鼓の曲らしきものになってきたんです。
そこで、この曲に名前をつけよう、サークルにも名前をつけようと言うことになり、名前を「和太鼓タオ」そして曲の方は「タオばやし」と命名しました。
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タオとは中国の古い偉人、老子の説く「道教」の主旨である「この世に存在する全てのものは必ず何かの接点があり必ず何処かで交わっている、陰があって陽がある、プラスがあればマイナスもある、そしてその陰と陽は常にお互いをささえ合ってバランスを保っている、常にバランスを保つ為に働く力をタオ」と言います。
私達和太鼓 TAOのメンバーは心身障害と言う非常に大きなマイナスを背負いながら毎日の生活をしています。 でも、今こうしてこの手にバチを握り、太鼓の前に立つとこんな素晴らしい演奏を楽しむ事ができます。
これこそ、まさにタオの力だと思っています。 |
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今からちょうど10年前、私達が初めてのコンサートを開いた時はテレビ・ラジオ・新聞と沢山の報道関係が来て障害者が和太鼓のコンサートを開くと騒がれました、でも本当は最初の一回目より10年も続いている方がもっと凄いと自負しています。
長い年月にはかなりのメンバーの入れ替わりも有りますが、最近では毎週一回のかなり厳しい練習に汗をながしています。
何処かの誰かが言いました、「障害を乗り越えて和太鼓の演奏会を・・・」そんな簡単なものでは無いと思っています。そんな簡単に障害が乗り越えられれば苦労はしません。
私たちはいつでも障害と共になんです。障害と共に生活をし、障害と共に太鼓を叩いているのです。そして、私たちの演奏に感動して下さる方達が私たちの拍手が何よりの励みです。 |
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タオは何処にでもながれる、
すべてのものはタオ無しには存在しない、
すべてのものを育み、すべてのものを愛する、
タオは決して見捨てない。 |